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長期間受け続けた肌ダメージがキメの粗さとなる
私だけかもしれませんが、『キメが細かい肌』には、ビロードやベルベットの布地を思い浮かべます。舞台の幕や舞台衣装で着る、ビロードやベルベットの優雅な光沢と、起毛の独特の手触りが似ている気がするからです。(私って変かな?)まるで生まれたての子供の肌のように、柔らかくふっくらしている印象、そのものではありませんか?
そんなキメの整った肌が、年々粗くなって目立ってくるのは、何故なのでしょうか?年齢によるものというより、紫外線などの外部刺激から守り切れないためといったことの方が大きいようです。
キメが乱れる理由
キメが細かい方の肌は、シルクのような全く凹凸感の感じられない肌ではなく、目には見えないけれど、細かくて鋭利な肌組織が密集している状態です。専門的には、三角形の皮丘が無数に並んでいるためです。
キメが粗く見えるのは、皮丘と皮丘の間を皮溝が目立っているため。
物理的に皮溝が広いためか、皮丘の周辺が低くなっているために皮溝が広く見えてしまうかの、いずれかとなります。皮丘の大きさが違っていたり、不規則の並びであったりすると、皮溝の線の太さがまちまちとなります。こうしたバラバラな状態が、均一な肌光沢感が失われてキメの乱れをつくります。
ベルベットの優雅な光沢は、規則正しく並べられた起毛と、細い起毛によって作られているゆえんです。皮丘一つ一つの大きさも小さければ、小さいほど、キメは細かく見えることは、ベルベットを考えれば明らかになります。
角質細胞をふっくらと太らせる
皮丘は、無数の角質細胞からつくられています。角質細胞が均一に並べられていて、充分な水分を保持した健康な細胞であれば、皮丘はおのずとふっくらと膨れて、皮溝を押しつぶして隠してしまいます。
乾燥が酷いと保湿環境を保てなくなり、角質細胞が皮膚から剥がれ落ちます。洗顔や誤ったスキンケアで、物理的に角質細胞を剥がしていることもあるのです。角質細胞が少なくなれば、皮丘は小さくなり縮まるために、皮溝に引っ張られて皮丘の周囲は低くなります。なだらかな丘の谷間は広げられて、皮溝が目立ってしまうのです。
さらに乾燥状態が続くと、皮丘の真ん中にある毛穴も、周囲から引っ張られ開いてしまいます。キメと毛穴の開きは、無関係ではありません。
キメの乱れの対策
対策は、紫外線対策と、乾燥対策と、スキンケアの刺激の抑制です。角質層が痩せてしまう理由は、この3つにあると言えます。
紫外線対策
紫外線は肌表面に炎症を与えたり、乾燥させるだけではなく、真皮層の組織を壊してしまいます。
角質層を作るためには、要となっている真皮層です。その真皮層ののダメージは、致命的です。真皮層の70%はコラーゲンによって構成されていることから、コラーゲン摂取やコラーゲン生成のケアが主流です。 20歳をピークに、40歳では約50%、60歳では約25%と減少しています。減少の理由は、年齢によるもだけではなく、受け続けた紫外線も大きく影響しているのです。
真皮層のターンオーバは、5~6年と長いために、失われたコラーゲンを外から与えるより、失わないようにする方が大切な事となります。紫外線対策は、多面的なケアを、継続的に行い続けることです。日焼け止めクリームだけに頼るのではなく、帽子や日傘、すだれやよしずを掛けたり、紫外線から身体を守るβカロチンを含む野菜を食べるなど、考えうる手立てを行うことが大切です。
乾燥対策
メイクをすることが、普通な時代です。メイク落としのためのクレンジングが、角質層を必要以上に剥がしている危険性があります。メイクなしの日を作って肌を休めたり、朝洗顔をローションで拭き取るだけにしたりするなどの工夫は必要です。
毎日使う洗顔料は、常に変えながら、肌に合うものを見つけてください。洗顔料は進化していますし、肌環境は年齢や季節に応じて揺れ動いているからです。
キメが気になり始めたら、皮脂膜の代わりとなるような化粧品を一つ持ちます。浸透性の高い化粧品が増えて、肌の内側からケアが普通になりました。しかし、外気に触れている皮脂膜の役割は、想像以上に大きく、日中失われていた肌水分が気にならなくなる実感をしました。
精製度の高いスクワランオイルなどは、おススメです。
スキンケアの刺激
効果や機能の高さに、目を奪われるスキンケアが増えました。でも、効果重視、機能重視のために使われる成分が合わないこともままあります。良くない成分の代表に、石油系界面活性剤があげられますが、今はそれだけでもないようです。
年齢を重ねるごとに、化粧品に配合している成分や刺激には、注意する必要があります。若いころよりアレルギーを引き起こしやすく、回復も遅くなあるためです。
年齢を重ねると皮丘の高さが低くなり、キメが無いとか、ビニールっぽいツルツルの肌になる方もおります。角質層がやせ細っているか、スキンケアで必要な角質を剥がしとってしまっている可能性があります。こんな状態は、肌がゆらいでいる状態ですので、クレンジングの必要としないメイクに変え、最小限のスキンケアで、肌環境を整えることが必要です。