この記事のもくじ
しわケアの成分がこれから熱くなりそうよ
パンチコスメの印象があるビーグレンに、ビタミンAの美容液があります。 QuSomeレチノAという名前で、シワのケア用美容液です。このQuSomeレチノAをモニター20人が使用した検証結果が、医薬論文・医療情報投稿誌『診療と新薬』に掲載されました。シワケアとして、注目を集めています。
コスメメーカー独自開発の新成分か、既存の成分か
実は、シワケア用の美容液は、次々と現れています。コスメメーカーが独自に開発した成分も数が増え、名前だけみてもなにが何だかといった具合です。
ニールワンはシワ改善用の認可された
今年1月にポーラが、日本で初めて「シワを改善する」効能表現が、認められた薬用美容液「リンクルショット メディカルセラム」発売を発表しました。医薬部外品の有効成分は、ニールワンという名前です。
シワは元々、真皮層にあるコラーゲンが変形することで、肌が沈んだ箇所のことをいいます。変形したコラーゲンが元に戻れば、シワは改善されたことになりますが、ニールワンの働きはそうではありません。シワが作られる原因が皮膚内部の炎症にありとし、この炎症を静める作用に優れている働きです。
炎症を静め続けることで、シワを改善する考え方って、ちょっと美白成分と相通じるところがありますね。炎症を起こさせないことで、シミを作らせないという話は、よく美容雑誌で読みます。
とはいえ、ニールワンは検証実験も行われていて、その効果は客観的に評価されています。ニールワン配合のリンクルショット メディカルセラムは、税抜きで15,000円ですって、すっごく高い!
シワケア用成分を他にあげると
シワケア用の成分は、他にもあります。
ビーグレンと同様に『診療と新薬』に抗シワ用成分として掲載された、I’m PINCH(アイムピンチ)のセラビオなどもあります。大豆と納豆菌の発酵液が原材料で、天然成分です。ここだけの話、試験管の中で作られた成分よりは、愛着がもてます。
また、コスメ通なら知っている、シワに期待されているアルジルリンやシンエイクも、既存の成分ではありますが、そのパワーは有名です。配合している化粧品は、まだ、多くはなさそうです。
誰もが知るレチノールの取り扱いが良くなった
ところで、QuSomeレチノは、その名が示すとおり、ビタミンA(レチノール)が配合されています。ビタミンAは、かなり昔から皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあると言われ、シワ用に期待されていた成分でした。
既存の成分で、一般的です。普通というか、かなりオーソドックスだとうのが、私の感想です。パンチコスメなのにね。
レチノールの欠点
ビタミンAには欠点もあり、空気に触れると変質したり、角質をはがす作用があるために刺激を感じることがあります。敏感肌には、無理といわれています。角質をはがしすぎてしまうと、外部刺激に弱くなり、紫外線の影響が心配されます。ビタミンAを使う際は、日焼け止めを十分行う必要があります。
シワにはレチノールが良いという信頼感は厚かったのもの、上述の欠点のために、配合した化粧品は少なかったのです。しかし、技術が進歩しこうした問題点も、解決されはじめています。ここ2~3のうちに、化粧品のパッケージにレチノールの文字を見ることができるようになりました。
問題解決のひとつに、レチノールにビタミンE誘導体を結合させて、レチノールの生き過ぎた角質への働きを抑制させています。これを、レチノイン酸トコフェリルと呼ばれています。レチノール自身も、酸素で変質しやすいことを回避させるために、カプセル化して空気に触れさせないなどの工夫が行われるようになりました。
DHCがレチノール単体で、クリームを発売しています。ナールスユニバにも、よく見るとレチノールの文字がありました。
シワケア用の成分をどう選ぶ?
そこそこ効果を認知された昔ながらのレチノールと、国の認可を得たお墨付きの新規成分の対決が、これから見られるはずです。
確かに信頼できる機関で検証実験が行われた、ニールワンのような、抗シワ剤は魅力です。でも、実際多くの女性が使用した実績がありません。人は、コスメメーカーが想定した環境とは、別の環境でも使用します。化粧品は、実験室では使われないからです。
効果や効能は、検証結果で確認されたとはいえ、欠点さえも明らかにされていないのが、新規成分の弱いところです。ニールワンの短所を書いているブロガーはゼロですし。
既存の成分の効果は、限りがあります。でも、化粧品として使われてきた年月だけ、その安全性を推し量ることができます。短所も出尽くしていますので、加減をしながらお手入れをすれば、問題ありません。つまり、ちょっと安心なのです。
いずれがいいのか?結果は、半世紀ぐらい経たないと出ないじゃないかと思います。
ただこれだけは言えます。 コスメメーカーが効果重視になった今、とっても面白い時代になってきています。しわを化粧品で改善するなんて無理と、2~3年前は言われていたのに、今は違うからです。 あれこれ試して、ちょっとしたコスメフリークを気取るのも、おしゃれの楽しみといったところでしょうかね。