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難しい話は抜き、簡単にナールスゲンについて知っちゃおう
熱いお湯につかると美肌になると2年くらい前から、都市伝説のように言われています。これは、熱いお湯から守るために、人間の体が作るタンパク質、ヒートショックプロテインのおかげです。このヒートショックプロテインが、化合物として開発されました。
現在、ナールスゲンという名前ですが、元々は、「カルボキシメチルフェニルアミノカルボキシプロピルホスホン酸メチル」という長ーい名前です。この化合物が、コスメメーカーの手によって、『肌が飲む美肌サプリメント』という別名を携わるわけです。何だかワクワクしませんか?
ナールスゲンの一番の魅力はHSP47
ナールスゲンは、ヒートショックプロテイン(以下、HSPと記載)の他に、美肌に貢献する働きを持っていますが、1番の魅力はHSPを増やすことです。
どうやら、熱いお湯は人間だけではなく、果物や野菜でも同じです。なんと、50℃にさらしたバナナの方が、何もしないバナナより長持ちするという、実験結果がでたそうです。野菜も、50℃のお湯にさらすと、シャッキとするのだそうです。
これは、バナナや野菜が、熱い温度から身を守ろうとして、抵抗力や免疫力を高めるためにこうした現象が起きるためです。
ところで、HSP(ヒートショックプロテインって何ができるの?)
この熱などのストレスを受けた際に作られるタンパク質を、HSP47といいます。HSPの働きをまとめると、以下のとおり。
- 古くなったコラーゲンの排出を促す
- 新しく作られるコラーゲンを正しい形にする
- 筋肉の減少を抑える
平たく書いてしまうと、肌奥のコラーゲンを作るエンジンのような働きをしていると言う事でしょう。
HSP増やす以外のナールスゲンの働きは
ナールスゲンの働きは、HSPを増やす以外に、以下のような特徴を持っています。
- 分子量が、おおよそアミノ酸の2倍ほどの小さい
- 水溶成分
- 真皮のコラーゲン、エラスチンを増やす
- 肌水分の維持の働き
- 光老化予防
上記のことから、肌に浸透しやすく、ほうれい線やしわ、たるみの原因であるコラーゲンやエラスチンと深く関係していることが良く分かります。美容成分として使われた理由が、なんとなくわかる気がしますね。
ナールスゲンの開発秘話
京都大学と大阪市立大学の共同研究で開発されたナールスゲンですが、元々は、化粧品原料を作ろうと思って開発されたものではありません。2005年に、研究室で偶然作られた化合物に、コラーゲンの産生をサポートする働きを発見してしまったのです。
2009年に、科学技術振興機構の「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)」に採択されます。化粧品としての本格的な研究を経て、2012年にようやくエイジングケア化粧品成分として、世に出ることになりました。その後、TVニュースや日経新聞等で取り上げられ、知名度が上がり現在にいたっているのです。
ナールスゲンの安全性
ナールスゲンは、日本化粧品工業連合会が定める9項目の安全性試験において、安全性が確認されています。他に、追加された試験においても、細胞、動物、ヒトレベルのいずれもクリアした安全性の高い成分です。